香澄VS甲斐様 Round5

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力強く、痛いくらいに抱きしめてくれる。 身体全体が、温もりに触れ、心地よく、心の痛みがとれていく。 絶対的な安心感がそこにあり、落ち着きを取り戻した。 「淳也、ごめんね。ありがとう。」 「………香澄?気付いている?今の言葉、あいつに言ったのと同じなんだけど、わざとじゃないよね?」 あっ――― なんて私は、浅はかなんだろう。 “ごめんね”は、淳也には必要のない言葉だった。 ボキャブラリの無さに、ため息が出て来る。 私の気持ちが少し楽になったのと引き換えのように、淳也の気持ちを落としてしまった。 「俺は、一緒にされるの嫌なんだけど。」
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