16193人が本棚に入れています
本棚に追加
/539ページ
あぁ、やっぱり、勇樹のことで、淳也を傷つけていた。
淳也に甘え過ぎた。別れた男のことで泣かれた淳也の気持ちを、甘く見すぎた。
私は、馬鹿だ―――
「淳也、ありがとう。大好き。」
好きの気持ちが伝わるように、淳也をより強くギュッとした。
「香澄、違う。そういう時はキスするんだよ。」
嫌な思いをしてもなお、優しく甘い言葉をくれる、どこまでも素敵な人。
見上げたその顔は、言われなくても、キスしたくなるほど妖艶で、眩暈がしそう。
そっと、目を閉じ、淳也の唇に吸い寄せられるかのようにキスをした。
触れるだけのキスだけじゃ、大好きな気持ちは伝わらない。
最初のコメントを投稿しよう!