香澄VS375番台

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この頭の思考を麻痺させるヤニ臭さと、耳をつんざくうるささが、寂しさを紛らわせてくれた。 勝っても負けても辞められないのは、もう中毒になっているかもしれない。 いつのまにか、閉店の時間が来て、今日の勝負がついた。 ――今日は私の勝ち!! 辺りを見渡すと、ほぼ最後かなっていう程、客が少なくなっていた。 カウンターのお姉様方も、一息ついたようだ。 上機嫌でコイン計数機に入れたところで、私の意識は、朦朧としてきた。 貧血だろうが、急に気分が悪くなり、周りが真っ暗になり、見えなくなって、立っているのかすらもわからなくなった。 「お、おい、大丈夫か?おい!誰かちょっと来てくれ!」 焦って他のスタッフを大声で呼ぶお兄さん。
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