紅月 短編集
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鳥籠の鳥 「自由が欲しい。」 鳥籠の鳥が鳴いた。 「籠から出して。」 鳥籠の鳥がまた鳴いた。 仕方が無いので、 僕は鳥籠を開けて 鳥を手の平に乗せた。 そして窓から、 鳥をそっと投げてやった。 鳥籠の鳥は、飛べなかった。 もがいて、もがいて。 羽ばたいて、羽ばたいて。 堕ちて。 やがて地面に、 赤くて小さな水溜まりが出来た。
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