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墓地。
暗く湿気が漂い、腐敗臭の鋭いゾンビが徘徊するここも、例外なく装甲で覆われた機械がバグを捜し求めていた。
その奥、細い洞穴を抜けた先の空洞のホール。
祭壇に置かれた、開いたままの宝箱に腰をかけ、静かな寝息を立てる姿があった。
それは、高身長で、少年から青年に変わる頃の顔立ち。
ウエスタンハットにパンク混じりの全身血のような赤の服装。
右手から肩は、完全に露出していた。
青年は、ここで何かしていたわけではなかった。
いや、正確には【する事がない】ので、ここで安らかな寝息を上げていた。
そこに、もうひとつの影。
『ウィルスサーチ。開始。』
装甲の機械は、空洞を隅から奥へと、ゆっくりと丁寧に調べてく。
宝箱前まで来て、機械の動きが止まる。
『……未知のデータベースを確認。D.Bシステム起動。』
腕の銃口を赤服の青年に向ける。
凝縮されたエネルギーが、その銃口から勢いよく放たれた。
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