パンドラの箱再び

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「と、ともかくだ!いいな!次いくぞ、次ぃ!」 黒岡さんが、井沢さんにコーヒーと茶菓子を出しながら、叫ぶ。 ……先ほどまでの威厳は一体何処へやら。 「次は……アレだ。おい、お前だ、高津夕梨!」 「え、あ、は、はい!」 そして黒岡さんが指差したのは、夕梨だった。 夕梨ラブな俺や茜さんとしては、まさに地獄絵図。 「よ、吉岡さん!夕梨より先に、俺にしてくれませんか!?」 「そ、そうだぞ、吉岡!夕梨は後でいいだろう!? 殺すならアタシを殺せ!」 というわけで、必死にフォロー。 だが、そこは傍若無人な黒岡さん。 「っは、やだね。オレは、楽しみは後で取っておくタイプなんだよ。テメェ等は、高津夕梨の後でたっぷり可愛がってやるから覚悟しておきやがれ」 「……ぅ」 酌量の余地など皆無だった。 井沢さんに乱されたペースも、いつの間にやら元に戻ってるし。 こうなっては、これ以上の抵抗など無意味。 すまない、夕梨……。不甲斐ない俺を許してくれ。 「さて、と……高津夕梨。お前には、言いたいことがたくさんあるんだが……。さて、何から言ったものか……」 「そ、その……。お、お手柔らかにお願いします、吉岡さん」 「そうだな……。よし、決めた」 黒岡さんは、恐ろしく冷たい目を浮べ、夕梨を指差し一言。 「お前、ホントにヒロイン?」 決して言ってはならないことを、遂に黒岡さんが口にしてしまった。 「……な、なな、な何を言って……」 「とりあえず、薄い。超薄いよね。基本的に薄い。色々と薄い。致命的に薄い。メインヒロインに有るまじきキャラの薄さじゃね?」 「…………」 「てかよ。メインヒロインのくせに、人気投票では、いつもオレの半分の票も獲得できてないよな? なんなの?空気なの?超絶空気キャラなの?需要あるの?馬鹿なの?死ぬの?」 「…………………………」 止めろぉぉぉ!! もう止めてくれえぇぇぇぇぇ!! 夕梨の表情が、見たこともないものになってるからああぁぁぁ!!
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