14313人が本棚に入れています
本棚に追加
「と、ともかくだ!いいな!次いくぞ、次ぃ!」
黒岡さんが、井沢さんにコーヒーと茶菓子を出しながら、叫ぶ。
……先ほどまでの威厳は一体何処へやら。
「次は……アレだ。おい、お前だ、高津夕梨!」
「え、あ、は、はい!」
そして黒岡さんが指差したのは、夕梨だった。
夕梨ラブな俺や茜さんとしては、まさに地獄絵図。
「よ、吉岡さん!夕梨より先に、俺にしてくれませんか!?」
「そ、そうだぞ、吉岡!夕梨は後でいいだろう!? 殺すならアタシを殺せ!」
というわけで、必死にフォロー。
だが、そこは傍若無人な黒岡さん。
「っは、やだね。オレは、楽しみは後で取っておくタイプなんだよ。テメェ等は、高津夕梨の後でたっぷり可愛がってやるから覚悟しておきやがれ」
「……ぅ」
酌量の余地など皆無だった。
井沢さんに乱されたペースも、いつの間にやら元に戻ってるし。
こうなっては、これ以上の抵抗など無意味。
すまない、夕梨……。不甲斐ない俺を許してくれ。
「さて、と……高津夕梨。お前には、言いたいことがたくさんあるんだが……。さて、何から言ったものか……」
「そ、その……。お、お手柔らかにお願いします、吉岡さん」
「そうだな……。よし、決めた」
黒岡さんは、恐ろしく冷たい目を浮べ、夕梨を指差し一言。
「お前、ホントにヒロイン?」
決して言ってはならないことを、遂に黒岡さんが口にしてしまった。
「……な、なな、な何を言って……」
「とりあえず、薄い。超薄いよね。基本的に薄い。色々と薄い。致命的に薄い。メインヒロインに有るまじきキャラの薄さじゃね?」
「…………」
「てかよ。メインヒロインのくせに、人気投票では、いつもオレの半分の票も獲得できてないよな? なんなの?空気なの?超絶空気キャラなの?需要あるの?馬鹿なの?死ぬの?」
「…………………………」
止めろぉぉぉ!!
もう止めてくれえぇぇぇぇぇ!!
夕梨の表情が、見たこともないものになってるからああぁぁぁ!!
最初のコメントを投稿しよう!