パンドラの箱再び

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「……じゃあ、つけますよ……?」 とはいえ、眼鏡の代わりとなるようなものは、それ以外に無い。 若干心配だが、とりあえずこれを代用するとしよう。 「3……2……1……」 気分的に、カウントダウン。 そして、遂に俺は、死んだように眠っている黒岡さんの目に、サングラスをかけた。 「装・着ッ!目覚めろ、吉岡さん!」 ――そしてその瞬間。 俺の隣に居た茜さんが消えた。 「ッ!?」 否。消えたのではない、吹き飛んだのだ。 先ほどの黒岡さんの再現のように、壁を突き破り、外へと姿を消してしまったのである。 「なん……だと……!」 目を疑う俺の横には、いつの間にか立ち上がっていた吉岡さんの姿が。 勿論、そんな彼女の目にはサングラス。 「……標的、高津茜。先刻自身が受けた手法と同様の手法による排除、および報復活動完遂」 なんか凄い機械的な声で、恐ろしいことを言い始めたよ、この人。 「く、黒岡さん……ですか? 吉岡さんでもないです……よね?」 「同刻、高津茜の意識喪失を確認。ターゲットを変更」 「あの、ちょ」 ギリギリギリ。 ものすっごい直角な動きで、黒岡さん(?)が俺の方を向いてきた。その瞳は……濃い黒色のサングラスのため、見えない。 それが、余計に怖い。 「次点ターゲット確認。名は兎上駆。報復レベル5。酌量の余地無し。現時刻より6秒後、報復活動、及び制裁行動に移行する」 「…………」 黒岡さん……いや、グラ岡さんはそう言いながら、俺を指差し最後の一言を。 「……さぁ、始めようか。兎上駆」 毒舌とドS行為により報復活動を行った黒岡さん。 今の吉岡さん、すなわちグラ岡さんは、どうやら実力行使の報復活動を遂行するらしいです。 次の瞬間、俺は背を向けて一目散に逃げ出した。 だがしかし、恐ろしい程綺麗なフォームと速さで、俺の後を追ってくるグラ岡さん。 もう、ね。 完全にターミネーター。 というわけで。 どうやら吉岡さんの脅威は、まだまだ終わりそうにないわけで。       ~Fin~ なんだこのオチ。
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