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目を覚ますと、僕は保健室のベッドの上にいた。
そうか、僕はS君に会心の一撃を喰らい、見事なまでに意識を失ったんだったな。
腹部に残る若干の違和感を噛み締めつつ、虚ろな意識のまま、ゆっくりと視線を横に向けてみる。
すると、
「おぉー。起きたか、御宅田」
「ッッッ!!」
ベッドの脇には、マイスウィートエンゼルにして、永遠の嫁、須山先生がいた。
もう、僕の意識は、3秒で覚醒。
「す、すすすす、須山先生!? なぜここにぃ!?」
驚きつつも、僕は考える。
よく考えたら、須山先生も、S先生だ。イニシャルSだ。もう、ホント何なんだよ。もっと豊富なイニシャルキャラをつくろうよ。
「いや、な。本編で保健室の先生って、まだ登場してないだろ? それなのに番外で初登場させるってのはどうかと思って。それで、私がキャストとして抜擢されたわけだ」
「それって言っていいんですか?」
「知るか。私が許す」
相変わらず自由な須山先生の姿を見ていると……僕の中の、兎上氏に対する怒りが爆発した。
なぜだか、自分でもよく分からないけれど。
「須山先生……」
「ん? なんだ?」
「僕……悔しいです」
シーツを握り締めながら、僕は溜まったうっぷんを晴らす。
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