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腹部から血が逆流し、再び口から大量に血を吐いた俺の姿を見て、夕梨の表情が恍惚に満たされる。
「苦しい?苦しいでしょ、駆?
でもね、それはね、ぜ~んぶ駆が悪いからそうなってるんだよ?
私は悪くないの。み~んな駆のせいなの」
夕梨がおもむろに手を捻る。
その瞬間、俺の腹部が包丁によって乱雑に抉られ、想像を絶する痛みが俺の全身を蝕む。
「……がッ!ぎ…!」
「……駆はさ。私の彼氏なのに。私のこと愛してるはずなのに。私を見てくれてるはずなのに。駆は私のモノであるはずなのに……。
それなのに、駆はどーして他の女の子と仲良くしてるの?静ねぇとか、紫婉ちゃんとか、吉岡さんとか、お姉ちゃんとか」
「………う…ぐ…ぁ……」
「……ねぇ聞いてるの?無視しないでよ、ちゃんと答えてよ。
ねぇ?ねぇ?……ねぇ!?ねぇ!?ねぇ!?ねぇ!?ねぇ!?ねぇ!?ねぇ!?」
夕梨は、俺の背中に刺さった包丁を躊躇無く引き抜き、そして、そのまま何度も何度も何度も何度も俺の背中に包丁を突き刺し始めた
もう、痛みの感覚なんて消え失せた。頭がボーっとする。夕梨にさせるがままで、抵抗などできない。
「……結局駆は、私のことなんてどうでもいいんだよね。
…だから決めたの。駆を私一人のモノにしようって。私で独り占めしようって。
……ほら。駆のこ~んなに苦しそうな姿を見れるのって、私だけなんだよ? 他の女の子には見せないの。私だけに見せてくれればいいの」
もう………意識がもたない。
全身の力が完全に抜け、死という現実が目の前へと迫って来ている感覚。
俺という人間の命が消える最後の瞬間、夕梨は妖艶な笑みを浮かべながら俺の耳元へとその口を近づけ、ただ一言囁いた。
「………大好きだよ、駆……」
真っ暗になった視界の中、夕梨のその言葉だけが、俺の耳にいつまでも響き渡っていた。
「…………ハイ、ということで、夕梨のキャラをヤンデレにしてみた、お茶目な茜お姉さんでした~!
それじゃ、ちちんぷいぷい、ぷぷいのぷいっと」
「ダメだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
茜さんのザオリクによって生き返った俺は、率直な感想を叫んだ![image=285378702.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/285378702.jpg?width=800&format=jpg)
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