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「あぁ、良かった。元に戻ってくれたね、夕梨」
「元に戻る…って、駆、どういうこと…………って、ひゃうぅ!? 何コレ!? どうして私、血まみれの包丁を握ってるの!?」
「あぁ、気にするな、夕梨。
お前がさっき、その包丁で、感情に身を任せてクソモヤシの背中を滅多刺しにしただけだから」
「!?」
「いやぁ。あれはホント怖かったね。流石の俺も一回死んじゃったよ」
「!? !? !?
何!? 私、さっきまで何してたの!? 二人共サラッと言ってるけど、とんでもない事実を暴露してるよ!!
そもそも、駆!一回死んだってどういうこと!なんで生きてるの!? ホムンクルス!?」
「まさか」
「なんで笑顔なの!?
というか、二人共、この番外を一体どの方向に持っていきたいのよ――――!!もう嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
流石に、もう思考の限界だったのだろう。
夕梨は一際大きい声でそう叫ぶと、そのままフラフラとガーデンカフェの隅へと移動。
見事に体育座りチームに参加してしまった。
もはやお決まりのルールだ。
あの哀愁漂う一角は、何なんだろうね。
ま、何はともあれ、これにて一件落着☆キラッ
「ところで、クソモヤシ」
俺が一人でキラッってると、隣の茜さんが話しかけてきた。
「なんですか?」
「ヤンデレを目の当たりにした感想はどうだ?
お前が望むなら、あのまま夕梨のキャラを変更して―――」
「却下」
「ちっ」
舌打しないでくださいな。
あんなのが俺の彼女だったら、命がいくつあっても足りませんから。
まぁ、とにかくこれで五人目だな。
※ここまでの被害状況。
俺、二回死亡。
茜さん、消費MP40。
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