暴走純愛一周年記念番外。その名も……

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茜さんがらしくもなく、女の子らしい悲鳴を上げたところで、俺は一番言いたかったことを口に出した。 「ところで茜さん」 「……お、おぉ、良かった……。お湯をかけたら消えたぞ、この湿疹……。 ……で、何だ、クソモヤシ?」 「良かったですね。 それで、あの……一つだけ聞きたいことがあるんですけど」 「何だ?」 俺は、嘘だと信じたい気持ちを抑えながら、口を開いた。 「…………俺のキャラ変……すげぇ省略されませんでしたか?」 「――――ハイ。 んじゃ、次のキャラ変行くぞぉぉぉぉ!!!」 「やっぱりかぁぁぁぁぁぁチクショぉぉぉぉぉ!!」 なんとなく、そうだろうと思ったさ! 酷くね!? 俺扱い、酷くね!?あんなにキャラ変頑張ったのに、書かれるのは結果だけ!? 「茜さんの鬼畜!悪魔! 俺、一応主人公ですよ!? せっかくの番外編なのに、主人公のネタが省略されるってどういうことですか!?」 「誰も男のキャラ変に期待なんざしてねぇんだよ!」 「まさかの一刀両断!?」 「何がカケル・ギャラクティカだ!主人公きどりで調子乗ってんじゃねぇぞ、ゴラぁ!」 「酷ッ!! くッ……。こ、こうなったら、せめてもの抵抗を!! カケル・ギャラクティカを本編で使ってや―――」 「させるかよぉぉ! んなことしたら、世界観がブチ壊れるだろうが!」 「んなッ!ば、馬鹿な! イグリスが茜さんの右手に集中してるだと……!?まさか……まさかぁぁぁ!」 全身のイグリスが集中した茜さんの右手が、淡い青色に輝き出す。 そんな……まさか……。 茜さんもイグリスに選ばれた、究極のイグリストだっただなんて……。 「喰らえぇぇ!! アカネ・ギャラクティカぁぁぁぁぁぁ!!」 「うわぁぁ!名前かぶったぁぁぁぁ!! ――って、ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 茜さんの必殺技(渾身の右ストレート)を喰らった俺は、そのままガーデンカフェの隅へと吹き飛ばされた。 そして、すさまじい勢いで壁に衝突し、今までの犠牲者の5人同様、俺も体育座りに。我ながら流れるような動きだったと自負している。 鬱だ 死のう。image=285379100.jpg
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