愛をくれた人

10/29
前へ
/29ページ
次へ
「…そろそろ… 俺も前に進まなきゃいけないのかな……」 二人で 職員室に戻る途中 翔がぼそっと呟いた。 「………雪乃…のこと?」 明里が聞き返す。 「いつまでも止まってたって 雪乃は喜ばないかもしれない。 そう言うやつだったから……」 「………そうかもね…」 少し歯切れの悪い 返事をした。 「でもさ…… 忘れようとして 忘れられるものじゃないし 確かに 雪乃が居なくなった寂しさは 段々薄れていってると思う。 それが…また悲しいことなんだけど……」 「………」 隣で黙って聞いていた明里は 突然立ち止まり 翔にある提案をした。 .
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加