愛をくれた人

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翔は電車を降りると 人混みをかき分け 夢中で走った。 改札を抜け 雪乃との出会いの場だった塾の前を通り 広い公園をの中を 横切ると 高くそびえ立つ マンションの前で足を止めた。 明里の電話を切った後 翔は誠のマンションに向かった。 苦しそうな表情で 肩で大きく息をすると 額の汗を拭い ゆっくりと足を前に出した。 前に進む足が 徐々に速度を増し ただまっすぐに一つの部屋を目指す。 誠の部屋に付いた翔は 何度も呼び鈴を押し 激しくドアを叩いた。 「雪乃!?雪乃、居るんだろ?」 廊下中に響くほどの 大きな声で叫んだ。 何度も…何度も…… しばらくすると 鍵をあける音がして 中から人が顔を出した。 「あぁ?? 誰だよ、んな朝早くから!!」 顔を出したのは誠だった。 .
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