愛をくれた人

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――― ―――― ―――――― 「……い? せん…い? 翔せんせい!」 かわいらしい声が 教室に響いた。 「あ…ごめん、ごめん。 で、何だっけ?」 「もぅーー だから! ここ!ここわかんない!」 大きな声で話すのは ちょっと日焼けした肌に ショートカットがよく似合う 小学生くらいの女の子。 指摘されたところを 優しく教えているのは 大学四年生になった 翔だった。 「ここは……こうやって……」 「うん…うん…… あ!!時間だ!!」 真剣に聞いていたかと思うと 急に声を上げた。 「もぅ!先生がぼーとしてるから 時間来ちゃったじゃない!! 今日は歯医者に行かなきゃいけないから もう帰らないと!!!」 そう言って 机の上の荷物を片付け始めた。 .
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