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「クツとか適当によけてくれていいから(笑)」 言いながら カズくんは お香を一本取り出すと ライターをかざし 火をつけた。 部屋いっぱいに 甘いバニラの香りが広がる。 足元を見渡すと 狭い玄関にところ狭しと カズくんのクツが散乱していた。 アタシは小さな隙間を見つけ 自分のクツを揃えると カズくんの部屋にあがろうと 足を踏み出した。 甘い甘いバニラの香りのように 甘い甘い誘惑に満ちた空間に アタシは 足を踏み入れたのだ。
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