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「吉見さんって名前あいこってゆうんだよね?」
突然私は声をかけられて、少し焦った。
「う、うん」
なんと答えたらいいかわからなかった。
学校の人、同い年の人と喋るのが久しぶりだったから。
「私もあいこってゆうんだよ」
「湯川愛子」
「吉見さんと違って、私は漢字だけどね」
彼女の名前は湯川愛子とゆうらしい。
今日は新しいクラス発表があった後で、担任の先生が来るのを待っている時間。
周りを見ても、あまり喋っている生徒もおらず新しい環境に困惑とゆうか緊張している様子。
私ももちろん緊張していたのだが。
彼女はこう続けた。
「私一年の時は三組だったんだよ。吉見さんは何組だった?」
「えっと…、私は六組だった」
そうなんだと彼女は前を向いた。
どうやら新しい先生が来たらしい。
ここは二年三組の教室。
この教室から私の高校生活二年目が始まる。
湯川さんと話をしてわかった。
私はやっぱり一年前からなにも変わってなかったって。
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