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たしかに初めて話すし、クラスも一緒になったことない。
でもそれって私だけじゃないよねって思ったけど、声にだせなかった。
「本庄くん女子の間では人気だから知ってて当然」
私はそう答えるしかなかった。
少し気があったなんて言えるわけがない。
「そんなことないよ」
と彼は笑いながら言った。
「おだてるのが上手いな」
彼は続けそう言った。
ほんとうに自覚がないのかもしれない。
女子に人気があるってことが。
それとも、ほんとうに純粋なだけなのかもしれないけど。
話を聞いてると彼も同じ帰り道だったので途中まで一緒に帰ることになった。
私は初対面の人とそこまで話せないってこともないけど、緊張はするほうだし、それも初対面の男子となるとそんなに話は出来ない。
でも彼とはなにか違った。
初対面ではないけど、初めて話すし、少し気になってる相手だった。
それでも本庄くんとも女友達といるときみたい、いやそれ以上に話していた気がする。
彼と別れて一人で家に向かう。
なんだか心に穴が開いたような感覚。
彼のことを思い出すだけでドキドキする。
彼の顔が頭から離れない、彼の声が耳から離れない。
これが恋ってゆうものなのかなって、そう想えた。
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