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「ねぇ吉見さんって好きな人とかいるの?」 晴れた日の午後。 窓際の教室でお昼ご飯を食べている最中。 私のご飯はお弁当で母が作ってくれたもの。 二段式のお弁当箱には、ご飯にかつおのふりかけ、もう一段にはおかずがある。 「私はいないよ。湯川さんは?」 少し会話に慣れたのか、彼女の問いに戸惑いなく返事できた。 湯川愛子はお弁当ではなく、コンビニで買ってきたパンを食べている。 それは個人の自由だし、絶対お弁当じゃないといけないってこともない。 私もほとんどお弁当だけど、たまにパンって時があるから。
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