剣と魔法の物語

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「……はぁ、そんな気を遣われたらやりにくいじゃないか」 「ははっ、悪い悪い」 「じゃあ、仕切り直して」 頭をポリポリと掻きながら、祐希は再び口を開く。 だが今までの堅苦しい言葉ではなく、いつもの口調でだ。 「雅樹、君は由香をしっかり幸せにすることを誓えるかい?」 「あぁ、誓える」 「なら由香、君は雅樹を永遠に支えることが出来るかい?」 「えぇ、もちろんよ」 「じゃあ、指輪交換だ」 祐希が小さな箱を二つ取り出して、二人に差し出す。 指輪を手にした二人は向かい合って笑ってから、指輪を互いの指に嵌める。 輝く指輪は、明るく反射している。 「じゃあ交換した所で、誓いのキスだ」 「恥ずかしげもなく言ったな」 「う……うるさい!早くしてくれ!」 「わ、わかったわ」 若干怒る祐希に言われて、由香はなだめるようにそう言った。
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