剣と魔法の物語

31/37
1446人が本棚に入れています
本棚に追加
/510ページ
ヴァージンロードを共に付き添うのは、皐月。 普通ならば由香の父親が付き添うべきなのだが、由香は両親を呼んではいない。 両親を呼ばない理由はまたどこかで述べるとして、由香はゆっくり歩いていく。 教会の外には遠くから覗こうとしている卒業したクラスメイトや、名前も知らない後輩がいた。 「全く、有名になっちまったなあいつら」 「剛だって教頭に昇格じゃないですか」 「……だるいじゃん」 「何か言いました?赤崎先生」 弥生に視線を送られて、赤崎は背筋の震えを覚えて冷や汗を流した。 そうした中、由香は順調に歩数を進める。 待っている雅樹も、由香と同様に伸びていた髪を切り、微笑む。 由香は雅樹の側に寄り、祐希が口を開く。 「汝、雅樹。あなたは妻由香を――」 「祐希、無理しなくていいぞ」 照れ気味に言っていたのを雅樹に感づかれ、そんな声を掛けられる。
/510ページ

最初のコメントを投稿しよう!