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「ほら、美花、
ご挨拶しなさい。」
父親に促され、その女の子はおずおずと前に出ると
「かんざき みかです。
よろしくおねがいします。」
とペコンと頭を下げ礼儀正しく挨拶をした。
「まぁ、可愛らしいお嬢さんで、家は男だばっかりでこちらこそご迷惑をお掛けしてしまうことがあると思いますが、宜しくお願いしますね。」
母親は、その女の子の頭を撫でながら答えていた。
俺は、そのやり取りを少し遠くで見ていたが、
ふいにその女の子と目が合った。
その女の子がニコッと笑うと、
母親がその視線の先の俺に気づいて手招きをする。
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