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しかし、万が一それが本当だったら……。
そう思っただけで身震いする。
事件は東から西、北から南といった形で、なぜか規則的な動きで発生している。
そこを考慮すれば、おそらく犯人は、計画的に殺害を繰り返している、という考えで得心はつく。
ちなみに一番新しい事件が、たしか東隣の街で起きたはずだ。この近辺では、東から西、という順で起きている。
とするとだ。彼の話が正しい場合、次に狙われるのは自分、という可能性はかなり高い。
相手は意味不明な、それこそ魔法のような手口を用いてくる。
対して、一般の中学生たる自分に、そんな相手から逃げ切る力はあるのだろうか。
…………残念ながら、ない。あるはずがない。
そこまで考えると、竜弥は途端に、強い、恐怖のようなものを感じた。
震えている。全身が。体のいたるところから、滝のような汗が吹き出す。
とまれ。これは夢。どうせ夢なのだ。自分は今、妙な夢を見ているにすぎない。
そう自分に言い聞かせるも、竜弥の震えと汗は、とまる気配すら見せなかった。
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