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 ふと、目が覚めた。見慣れた、木製の天井。  どうやら、今度は普通に目が覚めたようだ。 (何だったんだ、一体?)  不思議な夢を見た。まず、青年と対峙した。そして、気付けば暗闇の中にいたのだ。そこでソールと名乗る謎の声から、いろいろとわけのわからない話を聞いた。  思えば、不気味なものだった。最近の不可解な事件の、不可解な真相のようなもの。  真相である証明はない。むしろ現実離れした内容だ。  しかし、まず事件が現実離れしているのだ。  そうでも思わなければ、つじつまを合わせるのは厳しい。  仮にソールの言うことを信じるとすると、次に狙われるのは自分だろう。  魔術などという不可解な手を使う輩が、一般人たる自分に襲い掛かるのだ。  当然ながら、自分に対処法などあるはずもなく、襲われればほぼ間違いなくアウトだろう。  助かる術は…………ほぼないだろう。 「………………夢だ」  そうだ。夢なのだ。そう、思いたかった。 「そうだ。ただの夢だ」  自分に言い聞かせるようにつぶやき、竜弥は季節はずれなほどの汗でべたついたパジャマを着替えるため、ゆっくりとベッドをおりた。
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