2527人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅ…」
民千代は溜め息をついた。
新八が倒れてから今日で三日目。
彼は新八の枕元にあぐらをかいて座っていた。
「これで三日目…。
永倉先生、まだ目覚めないのかなぁ…。」
夜啝はあのまま牢に容れられた。
そして夜啝の希望により民千代は新八の世話係に任命されたのだ。
もう日にちが経った筈なのに新八は相も変わらず肩で荒い息をしているのみだった。
「永倉先生の世話なんて名誉な事なんだけど………」
むうっとふてくされる民千代。
「…………暇だ。」
『ガラッ』
「よぉー!林!!」
「新八は大丈夫?民千代君!」
「あっ藤堂先生原田先生。」
大きな音をたてて入ってきた藤堂と原田はどかっと畳にあぐらをかいた。
彼らはここ三日暇さえあればこの部屋に入り浸っている。
通ううちに民千代とも打ち解けて今では民千代も普通に話せるようになった。
「新八はなんか変わったかぁ?」
原田はぐったりとした新八を覗き込む。
「いいえ…相変わらず寝たままです。」
民千代は残念そうに頭を垂れる。
「そうか…でも林のせいじゃねぇんだからな。
気に病むな……」
「あっ!すっ…すみません!!大丈夫です!!」
テンションがた落ちの原田を必死にフォローする。
しかし面倒臭い事に中々なおりそうもない…
最初のコメントを投稿しよう!