第十三話 ここにいるよ…

3/14
前へ
/278ページ
次へ
「そっそういえば!確か今日藤堂先生見回りでしたよね? いつもより終わり早い気がするんですが「ウンオワッタ!!」 わざとらしく目を泳がせる藤堂。 「「……………」」 …バレバレだ。 「藤堂先生…いってらっしゃい。」 民千代は優しく藤堂に微笑む。 ……目が一切笑ってない。 「オワッ「行ってらっしゃ~い」 「オ「行ってらっしゃい。」 「…「逝ってらっしゃい。」 「民千代く~ん!漢字違う違う!! 相手は副長助勤!!副長助勤!!」 原田は間に割って入り会話を止める。 「そういえば!今日は沖田先生いらっしゃらないんですか?」 パンッと手を叩いて民千代が思い出したように言った。 実は入り浸っていたのは二人だけではない。 沖田もメンバーの一人だったのだ。 しかし今日は姿が見えない。 「今来ましたー!」 「うおあぁ!総司!!」 総司はひょこっと襖から顔を出した。 「民千代さん!新八はどうですか?」 さりげなく藤堂を押し退けて民千代の隣に座る。 「いいえ…あんまり変わりはありません。」 「そうですか…。 早く元気になれば良いんですけどね。」 残念そうに笑う民千代に総司はしゅんとした。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2527人が本棚に入れています
本棚に追加