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「…これも全てはあの男のせいで」
ぽつりと総司が呟いた。
「おい総司…」
藤堂が口を挟む。
「…そうだよな。元はといえばあいつのせいだ。」
原田も後に続く。
「おい…左之もやめろよっ!」
「病かもしれないんだぜ…?あの男の…柏崎のせいでだ!!」
最早二人の耳には藤堂の言葉など届いておらず…
原田が畳をドンッと拳で殴る。
「柏崎のせいでっ…新八がっ!!」
「やめて下さいませんか、その話。」
燐とした低い声がした。
「「「え…」」」
三人が民千代を見ると
民千代は顔を真っ赤にして歯を食い縛っていた。
「楊介は貴方達の思っているような事は何一つしておりません!!
前言撤回して下さい…!」
強い怒気には悲しみが見え隠れし、表情には微かに怯えが浮かんでいた。
「あのなぁ…林。
あいつはお前の尊敬する新八を斬ったんだぞ?」
「だって僕は本人から聞きました!!違うと!!斬ってないと!!」
原田ははぁーっと深い溜め息をつく。
「こんな事言いたくないんだけどな…。
林。お前はな、あいつにうまく言いくるめられたんだよ。」
「いいえ!言いくるめられてなんかいません!
貴方達が信じていなくても私は彼を信じていますから。」
民千代は畳を睨みながら強く良い放った。
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