第十四話 口だけなら貴方はいらない

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「柏崎。新八はどうしたんだ?」 土方が新八を見て冷静に夜啝に問う。 (珍しいな…。土方さんが怒鳴らないなんて。) 沖田は小さく驚く。 土方は日頃からよく怒鳴り散らす人だ。 こんな状況を見て怒鳴らないとは珍しい。 「ただ眠っているだけです。 永倉さんが落ち着き次第牢に戻りますので少々時間を頂けませんか。」 「よ…楊介…?」 民千代は初めて聞く岾啝の声に小さな恐怖を感じた。 見下しさけずむかのような冷たい岾啝の声に……… 夜啝はニッコリと笑いながら振り返った。 「民千代。こっちの人格は初めてでしたね。 私の名は柏崎岾啝。」 夜啝はフッと妖しく微笑んだ。 「永倉さんを斬った…心を持たぬ残虐者です。」 「柏崎!」 「いいんです土方さん。どうせ私が斬ったも同然ですから。」 「違うんだ民千代! こいつはただ新八を守れなかっただけなんだ!!斬ってなんかいない!!」 土方は必死に民千代に叫び散らす。 しかし民千代は下を向いたまま頭を上げてくれない。
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