第十四話 口だけなら貴方はいらない

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「宜しいですよ。」 「「「「「!!!?」」」」」 しかし案外夜啝はあっさりと受け入れた。 そして体温計を取り出して新八の脇に挟み込ませながら淡々と話はじめる。 「私はそこら辺の侍相手だったら簡単に殺せてしまうくらいの強さだと思います。 その後、生活に支障がありましても私は一切責任を持ちませんので御了承の程。」 それを言うと夜啝はにやぁっと総司に笑いかける。 総司はスッと殺気を消してハッと馬鹿にしたように鼻で笑った。 「ならよろしいです。 ここに着替えを置いておきますので着替えたら道場までいらして下さい。」 「あっ!おい!」 藤堂が叫ぶも沖田はにこりと笑って部屋から出ていった。 しーーんと変な空気が漂う。 「…じ…じゃあ左之、一。お…俺達も出ようぜ?」 藤堂はひきつった笑顔で振り返った。 四人は異様な空気を放っていて今一つ話し掛けにくい………。 原田と斎藤は無言で頷き藤堂に付いて部屋から出ていった。 「ほらほら貴方達も早く出て下さい邪魔ですよ。 いつまでも居座られると永倉さんにも迷惑ですから。 …あ、永倉さん熱下がってますね。」 夜啝は体温計を取り出し数値を見て眉を潜めた。 「「………………」」 民千代は俯いたまま何も言わず、土方は腕を組んだまま固まっているから夜啝にとっては邪魔以外の何者でもなかった。 「……さっきのお前は…誰だ?」 土方がぽつりと呟いた。 .
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