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「……さっきの私?何の事でしょう。」
頭では分かっていた。
土方は新八を抱き締めていた『夜啝』の事を言っているのだと。
「すっとぼけんな。
新八を抱いてた時のお前は柏崎岾啝ではなく…全く違う『誰か』だった。
……お前何か隠していないか?」
駄目。
ここより後は
私と新八以外
「…立ち入り禁止。」
「あ?」
小さく呟いた声が聞こえたのか土方は眉を寄せて低い声で唸った。
「それ以上聞くと私があいつにうるさく言われます。
面倒臭いんですよそういう時のあいつは。」
「あいつ…?」
そう、あいつ。
明るくてノリのいいあいつ。
ヘタレで泣き虫なあいつ。
表では一匹狼っぽいけど何気に寂しがりやなあいつ。
きゅうすを投げつけたあいつ。
そして笑顔で涙を拭ってくれたあいつ。
他人をカスと思っていた私に心を開かせたムカつくけど凄いあいつ。
「良く笑って、良く泣いて、気が合って、私の全てを抱いてくださる大切な大切な友人です。」
大事な、初めての友人。
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