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「生憎そんな凄技持ち合わせてません!
ってかなんで俺起こした~ん?寒いし!」
「あ!!そーだった!今から道場行くぞ!!」
頭をぽりぽり掻きながらあくびする新八に飛び掛かる様に腕をひっつかみ引っ張った。
「え!?な…何で!?俺関係なくね!?」
「私の入隊試験だよ!!ほら急げ!!
新八がいねーと始まんねーんだよ!!」
新八に振り向いて怒号を撒き散らすとずるずる引き摺ってパンっと襖を開いた。
「痛って!おい!!…った!」
襖が開いたと同時に夜啝は新八の手を離した。
そのせいでべちゃっと俯せに倒れた新八はガバッと頭を上げる。
「…永倉さん。何を致して居るのですか?」
……既に夜啝は柏崎の顔だった。
「……なにも。」
新八も表の顔付きでスクッと立ち上がった。
(こんのっ…桟って中々痛ぇんだぞ!!)
(っあー…やっぱ民千代もいんのかなぁ…
面倒臭いの嫌いなんだよね…)
それぞれ違う事を思いながら無言のまま歩き出す。
「…あ、永倉さんこの時間の廊下屋根裏って大人気なんですね。
知りませんでした。」
屋根裏から五つ程の気配がした。
わざとらしくムンムンの殺気を放ちながら静かに着いてくる。
「監察の仕事だな。
…お前何かしたのか。」
うんざりした顔で新八は夜啝に振り返る。
夜啝はぼけーっとした顔でただただ天井を見つめていた。
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