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(死なない為?たかが数十回しか試合った事のないくせに…。
私は実戦経歴があるんですよ?)
先程の笑みの意味が分かりぞっとする反面、馬鹿にされているという怒りが込み上げてくる。
「では両者前へ!!」
二人はすっと前へ出た。
沖田は夜啝を睨みながら。
夜啝は笑顔で沖田を見つめながら。
「あっ!新八こっちだこっち!!」
「あ…平助。」
ぼーっと突っ立っていた新八を小声で呼び込む原田と藤堂。
「これは何だ?
全く意味が分からない。」
「あぁ新八は寝てたもんな!!
あの柏崎って奴が総司と一と指名型で後一人と連続で戦うんだ!」
「へぇ」
新八はくっと沖田を見つめた。
夜啝に何かを吹き込まれたらしく顔は強張り少しだけ足に力が入りすぎている。
「………頑張れよ総司。」
総司…下手したら夜啝は…
「沖田総司。天然理心流です。」
沖田が淡々と告げる。
ここで夜啝は困ってしまった。
いつも彼女は適当に戦って適当に勝っていた。
なので夜啝には流派もクソもないのだ。
「江ノ本楊介。え~…と…流派無し!!」
「ブッ!!」
思わず新八は一人噴き出してしまった。
周囲はざわめいているので気付かないが夜啝は気付いたらしく目を細めて新八を睨んでいる。
「江ノ本さん…そういう時は我流って言うんですよ。」
呆れた顔で沖田は夜啝を見据えた。
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