2527人が本棚に入れています
本棚に追加
「だって俺試合って言っても数十回だけですよ?
我の流儀なんて自分でも分かりませんし。」
「…そうですか。」
「両者、構え!!」
沖田はすっと木刀を構える。
(………?)
しかし夜啝は構えずにへらへら笑いながら立っている。
「江ノ本さん構えを。」
「俺構えとか分かんないんですよね。
これで始めちゃって下さい。」
もういいこの人面倒臭い。
「で…では!………始め!!」
今戦いの火蓋が切って落とされた。
沖田は夜啝をじっと見つめる。
(なんだこの人は…。隙だらけじゃないか。)
夜啝は竹刀を指に引っ掛けてくるくると回している。
なぜか彼女は殺気も様子を探る気配も微塵にも感じさせないのだ。
「沖田さーん掛かって来て下さいよ~」
夜啝は回していた竹刀をぱしっと握り眉を寄せて沖田を見た。
最初のコメントを投稿しよう!