第十五話 素質と努力

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沖田はギュウッと再度木刀を強く握り締めてキッと夜啝を睨んだ。 しかし楊介はへらへら笑ったまま変わらない。 (…なんなんですか貴方は。) 「ならば遠慮なく…私からいきますよっ!!」 『ブゥンッ!!』 ざっと沖田は面を狙って大きく降り下ろした。 『カッ』 「!?」 夜啝は右手でだるく竹刀を持ち上げて木刀を受けた。 「危ないなぁ~ 木刀を頭に…って殺す気満々じゃあないですか。」 「当りっ…前じゃ…ないですかっ!」 沖田はぐぐっと両手に力を籠める。 だが壁に押し付けているかの如く竹刀はぴくりとも動かない。 夜啝は余裕の表情で沖田を見つめる。 「力を抜かないで下さーい。 折角あの馬鹿が抑えてくれてるのに力が出てきちゃいますよ?」 …あの馬鹿? 誰だか知りませんが… 「あまりなめないでくださいよ…?」 ぐっと微かに木刀が竹刀を押して沖田はニッと笑った。 .
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