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沖田はギュウッと再度木刀を強く握り締めてキッと夜啝を睨んだ。
しかし楊介はへらへら笑ったまま変わらない。
(…なんなんですか貴方は。)
「ならば遠慮なく…私からいきますよっ!!」
『ブゥンッ!!』
ざっと沖田は面を狙って大きく降り下ろした。
『カッ』
「!?」
夜啝は右手でだるく竹刀を持ち上げて木刀を受けた。
「危ないなぁ~
木刀を頭に…って殺す気満々じゃあないですか。」
「当りっ…前じゃ…ないですかっ!」
沖田はぐぐっと両手に力を籠める。
だが壁に押し付けているかの如く竹刀はぴくりとも動かない。
夜啝は余裕の表情で沖田を見つめる。
「力を抜かないで下さーい。
折角あの馬鹿が抑えてくれてるのに力が出てきちゃいますよ?」
…あの馬鹿?
誰だか知りませんが…
「あまりなめないでくださいよ…?」
ぐっと微かに木刀が竹刀を押して沖田はニッと笑った。
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