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夜啝はフッと笑って呟いた。
「へぇ!やはり新撰組一番隊組頭沖田総司は伊達じゃないですねぇ!」
「は…?」
『ガッ!!』
「っつ!?」
沖田は夜啝の放った胴をギリギリで持ちこたえたが、
(なんですかっ…これっ!…なんて重いっ…)
その恐ろしい程の力はグイグイと増してゆき沖田は限界まで押されていった。
「もー!早く本気出して下さいよー!」
これでも沖田は既に実力の八割は出している。
決して沖田が弱い訳ではない。夜啝が強すぎるのだ。
「くっ…」
沖田はカンッと竹刀を流してバッと後ろに飛び退いた。
「ギリギリでしたね~。」
楊介はへらへら笑いながら竹刀を指でくるくると回す。
なんとも不気味な笑顔で近寄ってくる楊介に思わず足が後ずざる。
(まずい…このままでは…!)
額につうっと一筋の汗が流れる。
「…はぁ。沖田先生俺もう疲れちゃいましたよ。
剣客と言われても所詮井の中の蛙ですか。」
楊介はうっすら笑いながら総司に向かって一直線に竹刀を出した。
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