第十五話 素質と努力

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「…?どうかしたんすか?」 楊介は斎藤の目線を辿り『あぁ沖田先生』と言って笑った。 「済んだことはもういいじゃないですか。 ましてや勝負事に後味悪しは付き物なんですから。」 籠から木刀を抜き、ねっ?と笑顔で斎藤に向ける。 この和やかな笑顔。 斎藤はこの笑顔の意味に既に気が付いていた。 いや、気付くように誘導されたと言うべきか。 「…良いだろう。」 差し出された木刀を握り奪い取りギロリと楊介を睨んだ。 斎藤はふらりと立ち上がり楊介を睨んだまま静かに口を開く。 「…斎藤一。無外流だ。」 「江ノ本楊介。流派無しです!」 今二回戦の幕が開けた。
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