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「…?どうかしたんすか?」
楊介は斎藤の目線を辿り『あぁ沖田先生』と言って笑った。
「済んだことはもういいじゃないですか。
ましてや勝負事に後味悪しは付き物なんですから。」
籠から木刀を抜き、ねっ?と笑顔で斎藤に向ける。
この和やかな笑顔。
斎藤はこの笑顔の意味に既に気が付いていた。
いや、気付くように誘導されたと言うべきか。
「…良いだろう。」
差し出された木刀を握り奪い取りギロリと楊介を睨んだ。
斎藤はふらりと立ち上がり楊介を睨んだまま静かに口を開く。
「…斎藤一。無外流だ。」
「江ノ本楊介。流派無しです!」
今二回戦の幕が開けた。
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