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「よ…よろしいですよ。私が責任を持っ「いいえ。副長ともあろう方に新人の躾など任せようものなら浪士組の名が廃ります。
推薦であろうとなんだろうと新人ということにかわりはありません!…みっちり私が教育させて頂きますよ。」
真っ青な顔で自分を見つめる楠木に、夜啝はにっこりと微笑んで手を差し出した
「…というわけで、教育係となりました。敬語うんぬんは言いませんが、これから外出や手紙のやり取り等、全て私を通してから行ってくださいね。あ、無論無断に行動した場合は『これ』ですから。」
夜啝は親指を首に立てて左から右へとずらした
つまるところ、打ち首だ
「…彼は斎藤、沖田両先生を打ち据えていらっしゃるのです。本当に…お気をつけて。」
山南がぽつりと呟いた途端に、二人の目にささやかな殺気が宿る
夜啝は変わらぬ笑顔で挑発するかのようにカチャリと刀を揺らした
いつの間にやったのか、鯉口は既に切れている
「成長するにはうってつけのこれ以上無い喜ばしい話でしょう?
…やましい事が無ければですが、ねぇ?」
「「「…………。」」」
しん…と、その場が水を打ったかのように静まり返った
ひねくれた彼女の考えに既に山南は苦い顔で俯いてしまっている
すると―――
「面白いね。受けてたつよ…江ノ本さん。」
妖しげに笑いながら夜啝を見つめる佐々木
「よろしいです。では、早速参りましょうか。」
夜啝はそんな彼を一瞥し、では、と一声発して襖の方向に歩き出した
「あの…どちらへ…」
楠木がおずおずと手を挙げる
夜啝は優しく微笑んで振り返った
「初歩中の初歩、挨拶まわりです。ある意味、発見があるかもしれませんよ?」
――――……
「あ、おかえりなさ――」
沖田は振り返った次の瞬間にピキッと顔を強張らせた
そこにはにこにこと笑い続ける憎たらしい男と、つい先刻まで怪しいと話していた男が立っている
「柏崎さん貴方馬鹿ですか?はい馬鹿ですね。」
「いえ、天才ですが何か。」
「自分を褒め称えるとは…痛々しい事この上ありません。」
「あ…あの~…」
「あ、それ私が剣術馬鹿にだけは絶対言われたくない言葉第一位ですね。」
「先生方?話を――」
「剣術馬鹿って誰でしょう?あ、自分ですか。そうですか。」
「ちょっと!いい加減にして下さいよ!」
火花を散らし合ってる二人を見かねたのか、とうとう楠木が見かねたように叫んだ
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