卯月 ―空―

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それでも、とりあえずは良いところを見つけて褒める。 「ホントだ!すごいね。元気いっぱいで、マサキ君らしい」 「へっへー」 「じゃあマサキ君、ちょっと遠くから見てみようか?」 僕はマサキくんと一緒に2mくらい後ろに下がった。 「……どう?ちょっと大きすぎない?」 「う~ん……言われてみれば、そうかも」 素直なマサキ君は、顎を引いたり指で作った四角い枠越しにお花を眺めたりしている。 「えっと、う~んと……あっ!こうしたらどう?ダイシせんせー」 しばらく唸っていたマサキ君だったけど、何か閃いたように作品に近付いていった。 そして不器用だけど丁寧な手つきで、いくつかの枝を落とした。 「どう?先生」 僕なら、ポピーを淡い色の花か何かの葉に変えるだろう。 でもそれだとマサキ君らしさはなくなってしまうから、これ以上の口出しは止めることにした。 「すっごく良い!マサキ君、自分ではどう思う?」 「うん!なんかイイ感じ!!」 マサキ君も満足そうだ。
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