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「とってもキレイな目だよね!」
「……え?」
僕は考えるよりも先に口を開いていた。
聞き返してきたのはサトシ君でも他の子供たちでもなく、クライン。
僕は膝を折ってサトシ君と視線を合わせ、自分が思ったままのことを言う。
「僕ね、小さい頃からクラインの目がすっごく羨ましくて……何であんなに綺麗な空色をしてるのかな、どうしたら僕も同じ瞳になれるのかなって考えたことがあったんだ」
けどそのクラインは、僕の瞳を羨ましがってた。
……クラインは本当に賢かった。
日本人として生きていくには、自分の青い目は不都合だってことにあの年で気付いてたんだから。
それでも僕は、その空のような瞳に憧れた。
「で、ある時思いついたんだ。空をずっと見てたら、空の色が瞳に映ってクラインと同じになれるんじゃないかって」
初めてする話だから、クラインも驚きを隠せていない。
サトシ君が真剣な顔で小さく頷く。
「僕たちは双子みたいに育ったからね、あの時は服も靴もおやつも布団も……瞳の色も、何もかもがクラインと一緒じゃなきゃ嫌だったんだ……」
本当は『双子みたいに』じゃなくて双子なんだけど。
サトシ君が妙に大人びた口調で先を促す。
「けど、ダメだったんでしょ?」
「うん……友達に『目の色は生まれつきだから直せないんだよ』って言われた時は、泣いちゃうくらいショックだった」
クラインと離れ離れになって連絡も取れなくなった直後のことだから、よく覚えてる。
悲しくて悲しくて、友達になってくれたばかりのリダを困らせてしまったことも。
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