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「…さぁ?…分からん…」
スマイソンは首を傾げた。
スウェットの上下に着替えた二人は、捜査一課に寄った。
「おう!ショーティ、義正、上がりか?お疲れさん!」
机に座っていた端正な顔立ちの刑事が、声をかけてくる。
「おう!島峰、今日は当直だったっけ?頑張ってくれ」
スマイソンが微笑んで応えた。
「あぁ、最近は割と平和だから、何もなけりゃいいんだがな」
「まったくだな…デカは暇に限る」
「お前さっき道場行ってたよな?…なんだよ?その格好は?」
「…これから義正と、ボクシングジムでトレーニングだよ」
「さっきは剣道の稽古で、今度はボクシングかよ!?…おいおい、どこまでタフなのお前達?」
島峰刑事が呆れて言った。
「呆れるなよ。うまい酒の為さ」
「その後風花か?…まぁ、ほどほどにな。義正、潰されるなよ?くれぐれもコイツにポン酒は飲ませるな」
「分かってますよ、シマさん。俺だって被害はゴメンです」
義正が苦笑した。
「…おっ前ら!その事は言うなよ~…気にしてるんだからさぁ~」
スマイソンが眉を八の字にして、情けない顔をして言った。
「ははは~…悪い悪い。まぁ最悪の場合はフウカちゃんが、なんとかしてくれるさ」
「…もう、やめてくれ。さっさと課長の用件聞いて上がるわ…じゃあな」
「ははは~、いや、お疲れ…」
スマイソン達は、課長の机に向かった。
「…課長、用件はなんでしょうか?」
「上がりなのに済まんな…実はショーティ、お前さんに短期間だが、明日の非番が明けてから、出向の辞令がさっき下りてきた」
「出向?…どこにですか?」
「警視庁特別捜査班へと言う事だ…これが辞令書だ」
一枚の紙が手渡される。
「…警視庁特別捜査班?…なんですか、そりゃあ?」
「…なんでも、緊急に設置された部署だそうだ…」
「…なんで私がそんな所に?」
「俺にも分からんが、乾管理官がそこの指揮を執るらしい…彼のたっての希望でお前さんをご指名との事だ」
「乾管理官?」
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