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「……なぁ、御厨。も一回聞いていい?――何でここを選んだの?」
ミッシェルに遭遇してしまった宇崎は乾いた笑顔をこちらに向けた。
同じく涼都も乾いた笑顔で返す。
「羊といえば群れ、だと思ったが群れといえばミッシェルだったな」
そう、ミッシェルによりにもよって今日、この朝出会った事に涼都は心の中で合掌した。
まさに御愁傷様、自分。
そして、ここで問題のミッシェルだが、さすがにあれだけ生徒に引かれて自分が避けられ―…不気味がられていると気づかない訳がなかった。
ミッシェルは不思議そうな顔をしていたがハッとする。
「なんてことだ!!」
(やっと気づいたか。自分がどれほどみんなに――)
「みんな、私に快適な通学路を歩いて欲しいがために道を空けてくれるなんて」
ずるっ
思わず涼都と宇崎はずっこけそうになった。
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