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「東、何が無くなったんだ?設楽家の証みたいなもんを持ち歩いてんのか、お前」
「あぁ。そういえば」
涼都の問いかけに東は納得する。
そういえば、無くなったモノには設楽家の家紋が付いていた。
東の反応に同じく涼都も納得したらしく、ふっと挑戦的な笑みを浮かべる。
「決まりだな」
そうつぶやくと唯一杞憂だけが?マークを頭上に浮かべた。
涼都のやる気まんまんな様子に杞憂は嫌ぁーな予感がしたらしい。
「明日には出さなきゃいけないプリントがあるから。俺はこれで―――」
ガシッと涼都がその手首をひっつかむ。
顔を引きつらせた杞憂に彼はニヤリと口の端をつり上げた。
「お前のせいで東の持ち物無くなってんだぜ?まさかその責任もとらずに逃げるような真似しねぇよなぁ?」
杞憂家ともあろうものが。
そう最後の言葉は凶悪な笑みで語った涼都に杞憂はただ頷くしかなかった。
涼都もなかなか強引である。
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