ナクシタモノ―下―

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*―――――――――――――――――* 「とりあえず、だ」 涼都はそう言って全員を見渡した。 宇崎、杞憂、東、そして自分。 羊捕獲に参加するメンツはこれだけであり、これ以上はない程の強力な人員だった。 もちろんいろんな意味で。 「一人一人探すにはバラけ過ぎて連絡をとりにくい。ここは公正に2チームに分かれよう」 「何で俺が」 そう突っかかった杞憂以外は特に何の異論も無いようなので、涼都は無視して話を進めた。 「問題はそのチーム分けだが」 涼都はそこで言葉を止める。 もう一度人員を確認。 露出狂、わがまま坊っちゃん、うさんくさい笑顔、俺様。 下手すれば羊どころか逆になんらかの不手際で被害者が出てもおかしくない。 涼都が悩み出したのを見て、うさんくさい笑顔が提案した。
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