ナクシタモノ―下―

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*―――――――――――――――――* その結果がこれだ。 涼都&宇崎チーム、東&杞憂チーム。 「いやぁーあの時の杞憂と東の表情、すごかったよな」 珍しいもん見た、と満足げに付け足した涼都に宇崎も頷く。 「東のあの笑顔が凍りついた瞬間とゲッと言わんばかりに歪んだ口元を俺は見逃さなかったね」 宇崎は笑いながら愉快そうに言う。 「…………」 やっぱりこいつら従兄弟だな。 何だか血のつながりを感じた涼都だった。 とは言え、あの中でまともなのは宇崎だろう。 どこかれ構わず脱ぐのは一緒にいて勘弁して欲しいが一応常識は一番ある。 ……常識ある人間は露出なんてしないけどな。 「お?いきなり当たりか?何か騒がしくなったぜ」 そう言って宇崎が茂みからひょっこり顔を出した。
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