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出来ることなら今すぐ昨日のあのくじ引きの瞬間に帰りたい。
東は廊下でため息をしつつ隣を見た。
「……何だ」
杞憂が短く、明らかに不機嫌丸出しの声で答える。
東はもう一度ため息をついた。
いつもよりテンションダウンの低い声だが微笑だけは変わらずに言う。
「何で君と組まなきゃいけないんだろーね」
あまりにも投げやりな言い方だった。
「表情と声と口調が一致してないぞ。俺だってお前とは、というかあの面々とは組みたくない。しかし―…」
「責任はとらなきゃいけない」
杞憂の言葉を奪ってそう結論づけた東に杞憂は鋭い目で睨み付けた。
その反応も東には予想の範囲内だ。
そのあまりにもの鋭さにも特に動じず、続ける。
「間違っていないでしょ」
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