私が出来るまで。

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  私は四人兄弟の第三子としてこの世に生を受けた。 兄が二人いるせいだろう、長女と言われても全然ピンと来ない。 四人兄弟って、そこまで多い訳でもないけど今の時代にしてはまあまあ多い方みたいで、小中学生の頃は兄弟多いね、なんてよく言われていたものだ。 上の兄からは、小さい頃から怒鳴られたり殴られたりの暴力を受けながら育った。 特に言葉の暴力は凄まじかった。 全てが自分中心に回っていないと気が済まない男。 何でも力で解決しようとする男。 人を見下し、人間扱いせずに、まるで忠実なペットを扱うかのように私を支配する男。 きっと頭では理解っていたんだろう… しかし、彼は敢えて狂うことを厭わなかった。 来る日も来る日も破壊し続けた。 時々悲哀の表情を浮かべながら。  
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