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ホントに、どうしようもない田舎だ。
出逢い? そんなものなんてない。
高校生になれば、部活に恋に熱い友情に……はいはい。黙れよ。そんなものはこの田舎町じゃ、非現実的なことだ。
中高一貫教育の俺の学校には、そんなものは存在しない。
ただ、各クラスに何人か知らない顔が来ただけで、自分の人生に影響を及ぼす程の人物との出逢いなんて、皆無に等しい。
が、一人。
確実に今の俺の生活を、どこぞのラブコメみたいな甘~いと言うか、非現実的な環境に変えてしまった人物は……いる。
確かにいるのだ。
入学式。
先ほども述べた通り、中高一貫教育なので、緊張という物も少ないし、期待という言葉は微塵も生まれない今日この日。
俺の席の隣で、窓から注ぐ陽の光を浴びている美少女。
頬杖を着き、窓から外の景色を眺めているその女の子は、綺麗な黒髪のショートヘアを、少しだけ開けた窓から入る春風になびかせている。
そう。
この女こそ、俺の平凡な人生を一気にぶち壊した元凶なのである……
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