12662人が本棚に入れています
本棚に追加
「泣きたかったら泣け。受け止めてやるから。」
オレは教師、こいつは生徒。慰めるのは、オレの仕事。
そう心の中で何度も復唱し、高校生のくせに、物欲しげだった色気のある顔を払拭する。
ただ、慰めるつもりだった。
たとえ、一瞬だとしても、涙を止めてやりたかった。
オレに縋って泣く姿に、さっきまでのキスがこの山岡美佳だったとは思えないくらい、可愛いらしい。
少しの大人っぽい雰囲気と、まだ残るあどけなさ。
守ってやりたくなった。
それが、教師としてか、一人の男としてかは、まだ、わからない。
最初のコメントを投稿しよう!