初めての……

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早朝とはいえ、野球部などは、早くから練習があるから、人が周りにいない今を、山岡なりに気を使ってくれたのだと思う。 左側から、異様に視線を感じ、緊張して、手に汗が滲んできた。 「な…に?」 信号待ちになった瞬間、堪らず、左を見て聞くと、みるみるうちに、真っ赤になって俯く山岡。 まあ、だいたい、オレと同じだろう。 運転する姿が、見慣れなくて、見とれていたとかそんなとこだろう。 「そんなに、カッコイイか?」 自意識過剰だと笑われるのを承知で、言ったのに、反応がない。 ん?と前の安全を確認しつつ、チラ見すると、いまだ、茹蛸状態の山岡がこっちを見て固まっていた。
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