初めての……

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「どうした?」 「先生は、何でそんな余裕なの?私、過呼吸になりそうなくらい胸がいっぱい」 そんな言葉が左側から聞こえると、オレの胸も途端に暴れだす。 山岡だけじゃねぇ。オレだって、同じだっつうの。 このままでは、運転が危ないと、路肩に駐車し、山岡と向き合う。 「余裕なわけねぇ。ドキドキしてるっていうの」 と、山岡の手をオレの胸にあてる。 「どうだ?わかるか?」 「うん。先生、今日の先生、カッコイイ」 オレの目を真っ直ぐ見てくるその目に誘われるように、胸にあてていた手をぐっと引き寄せ、抱きしめる。 通行人が少ないとはいえ、見られる確率があるにもかかわらず。
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