12662人が本棚に入れています
本棚に追加
いつしか、左手は、山岡と恋人繋ぎをしていて、信号待ちの度に、微笑みあう。
オレ達の住んでいる街を抜け、隣り街も抜けようとする頃には、もっと触れたいという衝動と戦っていた。
朝からこれだと、ただの盛りのついた動物と一緒。
少しでも触れると、もっと要求しそうで、触れることが出来ない。
楽しませてやりたいという気持ちもあったから、街の外れにあった女の子の好きそうなカフェに立ち寄った。
「まだ、早い。モーニングでも食べてから、行こうか?」
この場所が、デートで最初に行った場所になる。
この日の澄んだ空気も、このカフェのコーヒーの匂いも、窓から見た景色も、オレには、大袈裟かもしれないが、一生の思い出になる。
最初のコメントを投稿しよう!